現在、各医療機関で“紙の診察券”から“デジタルの診察券”への移行が注目されています。このような状況のなか、運営の効率化とサービス向上を目指し、デジタル診察券・アプリへの導入を検討している歯科医院・クリニックも増えています。
しかし、具体的にどのようなメリットがあるのかが明確でないために、導入に踏み切れない歯科医院・クリニックも多いのではないでしょうか。
本記事では、デジタル診察券・アプリのメリットや導入時のポイントについて、詳しく解説します。
なぜ?デジタル診察券・アプリを活用した診察券を活用する時代に
新型コロナウイルス感染症の影響により、予約・診断・処方・決済などの医療プロセスで非接触型のデジタル診察券・アプリが注目されています。患者と医療スタッフの接触が最小限に抑えられる診察券の導入は、感染拡大リスクの減少に期待できるほか、安全性を確保するために重要な役割を果たします。
また、ペーパーレス化による書類廃棄の減少で、環境への配慮や紙代・印刷代のコスト削減にもつながります。感染症対策を強化しながら、効率的な医療サービスの提供を実現する新しいアプローチとして、デジタル診察券・アプリの利用価値が高まっています。
紙の診察券が廃れる理由とデジタル化の移行が歯科医院・クリニック運営のカギに
紙の診察券は、歯科医院・クリニックと患者の双方にとってさまざまな“不便さ”をもたらす問題があります。紙の診察券のデメリットとして、以下が挙げられます。
■紙の診察券を利用するデメリット
歯科医院・クリニック | 患者 |
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これらの課題を解決させるためには、デジタル化への移行が得策です。
デジタル化のメリット1.予約が取りやすい
1つ目のメリットは、予約が取りやすいことです。患者は、スマートフォン(以下、スマホ)で24時間いつでもアクセス可能なため、従来では予約できなかった診療時間外や休診日でも予約ができます。
特に、Webやアプリを利用した予約方法は、中学生や高校生などスマホを使い慣れた世代にアプローチできます。また、簡単な操作によって予約の利便性が向上することで、新規患者の獲得につながる可能性があります。
デジタル化のメリット2.キャンセル率を改善する
2つ目のメリットは、キャンセル率の改善につながることです。紙の診察券では、患者が予約を変更する際、電話で連絡を取らなければなりません。一方、デジタル診察券・アプリでは、インターネット環境さえあれば、患者がいつでも予約を変更できます。患者の急な予定変更時にもスムーズに診療日時を調整できるため、無断キャンセルを減少させることができます。
また、予約日前に自動通知する“リマインド通知”の機能を活用することで、よりキャンセル率の改善を図ることができます。
さらに、デジタル診察券・アプリは、患者と歯科医院・クリニックのコミュニケーションツールとしての役割もあります。予約に関するやりとりが正確な記録として残るため、混乱や誤解が発生するのを防止するメリットもあります。
デジタル化のメリット3.受付業務を減らせる
3つ目のメリットは、歯科医院・クリニックで発生する受付業務の簡略化を図れることです。予約・変更の電話対応が不要になることから、受付業務にかかる時間と労力が削減され、スタッフは他の業務に集中できます。
また、患者が入力した情報をシステムがデジタルデータとして自動的に記録するため、アポイントメント帳の誤記入といった人的ミスや情報の不一致が減少します。これにより、ミスから生じる調査や修正などに時間を割く必要もなくなります。
さらに、デジタル診察券・アプリは感染症対策の一環としても機能します。スマホで予約が完結されるため、受付カウンターでの患者とスタッフの接触を最小限に減らせるほか、院内滞在時間を短縮して感染リスクを低減します。
診察券アプリを導入する際のポイント
診察券アプリを導入する際には、留意すべき重要なポイントがあります。ここでは3つのポイントについて解説します。/p>
1.診察券の種類を把握する
デジタル診察券には、おもにLINE、Web、アプリの3つの種類があり、それぞれ独自の特徴を持っています。登録方法、利用方法、提供される機能は異なります。例えば、機能の例として以下が挙げられます。
- 予約
- 予約変更
- 予約のキャンセル
- お知らせ配信
- 診療予約の管理
- キャッシュレス決済 など
歯科医院・クリニックの規模や診療スタイル、導入の目的によって必要な機能や使いやすさは異なるため、自院のニーズに合った方法を選択することが重要です。
2.導入費用を検討する
診察券アプリを選ぶ際には、導入費用の比較・検討が欠かせません。機能が充実するほど利便性は高まりますが、価格も相応に上がります。
一般的に導入時の初期費用のほかに月額費用がかかります。長期的に利用を継続するためには、月額費用に着目することも必要です。
また、カスタマイズ可能なプランや、セットプラン、予約に特化したプランなど、導入するシステムによっても費用が変わってきます。効率的で質の高い医療サービスが実現できるように、価格と機能のバランスを見極めて選びましょう。
3.導入期間を確認する
導入期間はシステム提供会社によって異なります。最短で即日から始められる場合もあれば、1~2週間や数ヶ月間かかることもあります。既存の設備に合わせてカスタマイズが必要な場合、より長い時間を要することが一般的です。
システム提供会社によってさまざまなオプションが提供されているため、自院の規模や要件に最適なスケジュールを相談し、計画的に導入することが大切です。
予約業務の負担を軽減するクリニッククラウドGR
※歯科医院・クリニック向けの予約完全自動化システム『クリニッククラウドGR』
『クリニッククラウドGR』は、診療と予約業務の分立化を図ることで、予約にかかるスタッフの業務負担を大幅に軽減できる予約完全自動化システムです。ここからは、具体的な特徴をご紹介します。
予約や変更を完全自動化
クリニッククラウドGRは、歯科業界で唯一LINE公式アカウントと連携したクラウドサービスです。LINEを予約窓口のプラットフォームとし、以下の仕組みで自動予約を行います。
- 患者が予約希望日時をLINEで送る
- チャットボットが自動で受付と返信を行う
- 完全自動で予約が確定する
このように予約業務をシステム化することで、スタッフの業務軽減と予約管理の効率性が向上します。また、人的ミスが軽減されることで、予約情報の正確性も確保されます。
患者はスマホで簡単に予約や変更ができ、来院時の受付もスムーズに進められます。クリニッククラウドGRの導入は、質の高い医療提供につながり、患者満足度の向上にも役立ちます。
予約の管理とお知らせ機能
『クリニッククラウドGR』は、患者をあらゆる面でサポートします。歯科医院・クリニックで患者の予約状況や来院予定、治療内容などの情報を迅速に把握できるだけでなく、スケジュール調整をスムーズに行えます。また、リコール対象患者やキャンセル患者へ向けたお知らせ機能を利用することで、再来院への動機づけに役立ちます。
そのほかにも、以下のとおり、総合的なツールとして運営に役立つさまざまな機能があります。
- 予約率やキャンセル率、稼働率、リコール率などのデータ分析機能
- LINEでのプロモーションにつながる友達紹介機能
- スタッフのシフト管理機能
- 使用中のレセコンとの連携機能
歯科医院・クリニック運営の効率化につながるデジタル診察券・アプリ
デジタル診察券・アプリの導入には、予約の利便性やキャンセル率の低減、受付業務の効率化など多くのメリットがあります。歯科医院・クリニックの運営において効率化と患者サービスの向上を両立させるための貴重なツールといえます。
導入する際には、診察券の種類を理解し、自院に合った機能と導入費用、導入期間を確認したうえで、システム提供会社に問い合わせすることが肝要です。
また、予約業務にかかる受付スタッフの負担軽減のために、予約完全自動化システムを利用するのも一つの方法です。自院のニーズに合わせて、デジタル診察券・アプリの活用を検討してみてはいかがでしょうか。