歯科医院・クリニックの内覧会は、開業後のスタートダッシュを左右すると言われるほど重要なイベントです。交流や情報提供を通じて、来場者に医院の魅力を伝えられる絶好の機会であることから、開業時やリニューアル時には内覧会を行う歯科医院・クリニックが多く見られます。
しかし、良好なスタートダッシュができるかどうかは内覧会の良し悪しで決まるため、効果的な内覧会をどのように進めたらよいのかが分からないという方も多いでしょう。
そこで、この記事では歯科医院・クリニックの内覧会の目的や重要性を踏まえ、開催までのステップや内覧会から予約につなげるコツについて詳しく解説していきます。
歯科医院・クリニックの内覧会を行う目的
歯科医院・クリニックの内覧会は、広告や口コミ、ホームページなどと同様に集患方法の一つです。ほかの患者集客方法にはない大きな特徴として、来場者と直接対面して自院をアピールできることが挙げられます。医院の魅力や強みを直接伝え、自院を選んでもらう動機づけと集患につなげるために活用することが最大の目的です。
ここからは、内覧会を行う3つの目的を、さらに詳しくご説明します。
1.新規予約の獲得
内覧会では、主に以下のような方がターゲットであると考えられます。
- 近隣の住民
- 現在ほかの歯科医院・クリニックに通院中で何らかの不満を抱えている方
- 不都合などがあり新しい医院を探している方
- 最寄に勤め先がある方 など
これらの方々はわざわざ日程を合わせて内覧会に来場するため、継続的な来院の可能性が高いことが予想できます。
歯科医院・クリニックの内覧会は開院前に予約を獲得できるチャンスであり、一定の見込み数を把握することで、開院から良いスタートを切るための体制を整えることができます。
2.地域での認知度の拡大
内覧会は、地域住民の方々に直接アプローチできるプロモーション方法です。内覧会を通じて実際に来院し、院内の設備や診療内容、雰囲気などを体感してもらうことができます。また、歯科医やスタッフとのコミュニケーションをとることで、医院の雰囲気や魅力を感じてもらうことも可能です。パンフレットやホームページだけでは知ることが難しい実際の医院や歯科医に関する情報を得られるのは、現地に足を運んで体感できる内覧会ならではの魅力といえます。
さらに、内覧会を行うことは地域コミュニティとの結びつきを図り、信頼を構築していく最初のプロセスとしても重要です。地域での認知度拡大に加え、地域の方々に安心感や信頼感を持ってもらい、身近な存在として感じてもらえるように努めましょう。
3.患者の本音やニーズの把握
内覧会は、歯科医やスタッフが患者になるであろう方とコミュニケーションをとることができる場です。通常の診察と異なり自由な雰囲気で行われるため、本音を引き出しやすく、歯医者に対する隠れた悩みや要望を知ることができます。同時に、その地域特有の問題や歯科医院・クリニックへの期待などもヒアリングできます。
改善点やニーズが浮かび上がることで、診療メニューやサービスの改善、地域に適した歯科医療を提供するための方針を打ち出すのに役立ちます。
内覧会を開催するまでの流れ
内覧会を成功させるためには、適切な準備と計画的な流れが欠かせません。事前準備をしっかりと整えておくことで、慌ただしい当日もスムーズに進められます。
ここでは、準備段階から開催当日に向けた流れとやるべきことをご説明します。
1.日時を決める
最初に、内覧会の日時を決めます。この時、開院日から逆算してスケジュールを立てていきます。過不足なく余裕を持って進められるように、準備にかかる日数も考慮し、開催日を早めに確定することが望ましいといえます。
2.プロモーションを実施する
日時を確定したら、次はプロモーションの展開です。チラシの配布や新聞の折り込み広告、ポスティングを活用して、地域の方々に内覧会の開催を周知させましょう。
同時に、ホームページの作成も怠らずに行います。ホームページを見て事前に興味を持ってもらえるように、歯科医院・クリニックや院長、スタッフなどの紹介をしっかりと作り込んで、内覧会当日の詳細を具体的に掲載します。
また、来場者がいつでも予約できるように、予約システムを早めに準備しておくことも不可欠です。
3.当日に向けて準備をする
最後に、当日に向けての細やかな準備を行います。内覧会で使用する機材や備品、来場者への記念品などを用意し、その後内覧会を想定したシミュレーションを実施します。
当日の流れや来場者の導線確保、機材などの動作確認を事前にすることで、スタッフとのスムーズな連携やトラブルへの対応策をとることができます。当日のトラブルを最小限に抑え円滑に進行できれば、来場者からの好印象につながります。
内覧会を開催する際のポイント
開院前の好スタートを切るためにも、内覧会を行うからには成功させたいものです。ここからは、歯科医院・クリニックが内覧会を成功させるために押さえておきたい重要なポイントを3つご紹介します。
1.土日・祝日に開催する
より多くの来場者を獲得するためには、土日・祝日の開催が望ましいといえます。理由として、土日・祝日は、平日働いている方や学生などが参加しやすく、幅広い年齢層の来場が期待できるからです。
ゴールデンウィークや年末年始、お盆休みなどの長期休暇期間は、来場者を見込める可能性もある半面、帰省や旅行などで地元を離れる方が多いことに留意しなければなりません。人の流れは地域性に影響することから、歯科医院・クリニック周辺の動向に合わせて、開催日を検討することが重要です。
2.呼び込みを行う
開催当日の医院周辺では、来場を迷っている方が多いことが予想されます。周辺で往来する方たちにスタッフが笑顔で積極的に声をかけ、来場しやすい雰囲気を作りましょう。
街頭や医院周辺でのチラシの配布やイベント告知も、地域の方々に直接情報を届け、参加へのハードルを下げる方法として有効です。たとえ来場できなかったとしても、通りがかりの方や地域の住民に、新しく歯科医院・クリニックができたことを知ってもらえるきっかけになります。
3.来場者と積極的にコミュニケーションをとる
来場者のなかには、歯科医やスタッフに話しかけることをためらう方もいます。そのため、医院側から積極的にコミュニケーションをとることが重要です。
院長やスタッフが自ら声をかけ、親身になって話を聞いたり、治療に関する疑問や質問にも丁寧に答えることで、来場者はより身近に感じることができます。医院の雰囲気や専門性を肌で感じ、自分の歯の治療を任せたいと感じるきっかけから、集患へつながる可能性が高まります。
内覧会から予約につなげるコツ
内覧会は、歯科医院・クリニックの認知度向上と同時に、“今後の予約につなげること”を最も重要な目的の1つとして考えなければなりません。その目的を達成するためには内覧会での工夫が欠かせません。内覧会から予約につなげるために医院ごとにさまざまな工夫を凝らしています。そのなかでも、多くの医院が行う予約獲得のためのコツを2つご紹介します。
1.予約特典をつける
内覧会当日に予約してくれた方への特典は、予約につなげるコツの一つとして効果的です。予約特典は、感謝の気持ちを伝えられるメリットがあります。そのうえ、迷っている方にとっても予約の後押しになるアプローチ方法です。おすすめの予約特典としては、歯ブラシや口腔ケアグッズなど、歯科に関連する実用的なアイテムが挙げられます。
2.フォローアップを行う
内覧会後のフォローアップも効果的な手段です。メールやダイレクトメールの活用は、来場者へのお礼を伝えるだけでなく、医院の印象づけにも効果的です。また、予約アプリを導入している場合は、アプリからも簡単にフォローアップのメッセージを送ることができます。
フォローアップメールやメッセージでは、来場者に感謝の気持ちを丁寧に伝え、内覧会で得た医院への印象や提供された情報に再び触れてもらい、予約へつなげられるような要素を盛り込むのが大切です。
内覧会後も来場者とのコミュニケーションを継続することで、予約への流れをスムーズにできます。タイミングを考慮しながら、効果的なフォローアップに努めましょう。
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内覧会の開催をお考えの場合には、利用を検討してみてはいかがでしょうか。開院前の大切な時期にクリニッククラウドGRを導入することで、内覧会当日からスムーズな運営が可能になります。内覧会の成功と将来の事業発展に向けて最適なサポートを提供しますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
内覧会で自院の魅力をアピールしよう
内覧会を通して、患者に理想的な歯科医院・クリニックであるという印象を残すことができれば、新規予約の獲得や地域における認知度の拡大などにつながります。
内覧会の目的を把握し、成功のための重要なポイントを押さえて、内覧会を戦略的に活用することが必要です。患者との信頼関係を築きつつ、地域に密着した安定的な成長を目指しましょう。